ミオミオの伊豆日日日記♪

ミオミオの大切な人達ぃー♪♪ 
ミオは何してるんやろ?って思ったその時に。。
これ思い出して読んでねぇー
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今日も楽しかった、ね!?

『今日も楽しかった、ね!? 小川 糸』


 

 数年来、東京でお正月を過ごしている。

 ふだんは賑やかでせわしない東京も、年末年始だけは清らかな空気に満たされる。交通量も減り、空気に艶と張りが出るのだ。お正月の東京が、いちばん好きかもしれない。家々の前には角松が飾られ、みんながほのぼのと、新年を祝っている気持ちが伝わってくる。

 いつからか、年賀状は年が明けてから、元日の午後に書くようになった。ひとりひとりの顔を思い浮かべながら、新年のあいさつをしたためる。相手に届くまでに少々時間はかかってしまうけれど、年が明けてから書いた方が、本来の年賀状という気がする。お正月ならではの、晴れやかで心地よい空気までもが、紙や文字と一緒に届きそうな感じがする。

 三が日に富士山を見に行くのも、恒例行事となった。

 夕方、空が茜色に染まる頃を見計らい、運動靴を履いて散歩に出る。

町はまだ静かだ。お気に入りの川沿いの道をてくてく歩き、少し遠くにある駅を目指す。ビルの屋上に行くと、線路のはるか先の方に富士山が見える。いつもは霞んでぼんやりとしたシルエットしか見えないのに、この時ばかりは堂々と、ここにいるよと大声で叫ぶように浮かび上がる。温かい飲み物を口にしながら、太陽が沈むのを気長に待つ。

 最後、燃え立つような夕日は、すーっと、上から手のひらで押されるようにあっけなく沈んでいく。それからしばらくは、富士山が刻一刻と色を変える。その姿を、固唾を飲んで見守るいくつもの瞳。中には、毎年お正月にだけ、同じ場所で顔を合わせるご夫婦もいる。

 やがて、ぽつりぽつりと人が去り、夜を迎えたばかりの空にちらほらと星が瞬き始める。今年も無事、新年の富士山を拝めたことに感謝して、帰りはバスに揺られながら家路につく。

 お正月に限らず、東京の冬が好きだ。

 いや、もっと正確に表現するなら、東京は冬が好きだ。

 熱いのが極端に苦手なので、冬は逆に命が甦る季節。仕事がはかどるのも、寒い時期だ。冬の真っ青な空には、盛大な拍手を贈りたくなる。東京の冬の気持ちよさは、世界に自慢できる逸品だと思う。

 松が明け、正月気分が退いたら、この青空を利用しない手はない。

 からりと乾燥している東京の空は、絶好の干し物日和である。気温が低い冬は食べ物を外に出しておいても気にならないので、肉だろうが魚だろうが野菜だろうが、とにかくなんでも干してしまう。冷たい風に当て、適度に水分が抜けると、うまみだけが凝縮される。

 たった一枚のなんの変哲もないアジでさえ、太陽の魔法にかかると極上の干物へと昇格するのだ。干すだけで味が良くなるのだから、この季節、降り注ぐお日様の恵みを利用しなければ、もったいない。

 十八歳で上京し、初めて知った東京の冬は衝撃的だった。

 それまで私が慣れ親しんだ冬の空といえば、分厚い灰色の雲に覆われたもの。東北の日本海側で生まれ育った私にとって、冬は、もうどこにも行き場がないような、暗くて息苦しいような気持ちになる季節だった。

 だから、今日も晴れている。明日も明後日も快晴だなんて、ちょっと裏切られたような気がしたものだ。それまで私が鬱々と過ごした冬の時間をどうしてくれるんだと、地団駄を踏みたい気分だった。空が晴れれば、心も晴れるし、空が曇れば、心も曇る。人の心は、お天気と常に二人三脚しているようなものだろう。

 凍えるような寒さの中、冬の光に身も心もさらけ出し、思う存分、日光浴をしたい。春に向けて、季節は着々と前に進んでいる。

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